南谷
三の坂の麓で右へ伸びる道が延びています。400mほど進んだところに、「おくのほそ道」の旅で芭蕉が泊まった別院紫苑寺の跡、通称「南谷」があります。俳聖もこの地を詠んで一句、「ありがたや雪をかほらす南谷」。心の字の形をした「心字池」は夏も涼しげな風を運び、南谷を時間のとまったような苔むす場所にしています。かつて涸れていたこの池に320年ぶりに水が湛えられたのは2000年のことでした。羽黒の若者たちによるNPO法人蜂鼓山社中が中心となったボランティア活動が、羽黒山の聖地を整備してきました。今は羽黒山の隠れた名所となっています。